またしても書きかけですが・・・
(もう書き手としてのプライドを捨てている)








助手のアックスはまるで捨て猫のように、いつの間にかある先生の動物病院に拾われてきた。
動物病院のすぐ隣に小さな小屋が立てられていて(前の日には何にもなかったのに、ある日忽然と立派な小屋が建
っていたのだ!)、そこに住みこんで、毎日ある先生の手伝いをしている。

「あ、アックス」
「なんだお前かよ」
「おはよう、サラ」

洗濯物をしている先生に話しかけようとしたら、隣にアックスがいた。いつの間にかエルリック病院で助手をしている
アックスは、よく先生の家事も手伝っているみたい。
「朝から眉顰めないでよ」
「自動的になるんだよ」
先生が隣で噴き出した。アックスは顔を紅くして心持顔をふくらました。ある先生が関わるとアックスは本当に百面相
だ。

「仲がいいね」
「先生!勘違いしないでください!」
「そんな必死にならなくてもいいじゃない」

先生はにっこりとほほ笑んで、洗濯かごをもちあげようとした。オレがしますと言ったアックスの手を制する。

「いいから、アックス。サラ、今度ゆっくりお茶でも飲みにきなよ」




先生は時折、透き通るような笑顔をする。それは今まで見てきたどんな人のどんな笑顔より奇麗で、澄んでいて、そ
の笑顔を見るたびになんだか今日も世界は奇麗なのだとしみじみと感じ入ってしまうような、まさに「美しい」笑顔。
アックスは大抵、そんな風に笑う先生の顔をじっと見つめている、瞬きもせずに。










ふ、と笑う。猫に視線を落としたアルフォンスの睫、微笑んだ口元、猫をなでる柔らかなてのひら。

「オレ・・オレは先生のことが・・・!」
「アル」
二人で扉を振り向いた。いつの間に帰ったのか、軍服のエドワードが家に続く戸口にたたずんでいる。荷物は持た
ず、どうやらコートも脱いだようだ。
ただ二つの金の眼だけが、今までにないほどに険しくぎらぎらと二人を見つめている。
「帰った」
「ああ、兄さん。おかえり」
もうこんな時間か、と時計を見て、アルフォンスがアックスを振り返る。
「アックスも、ご飯食べてく?」
明るい言葉に返事はせずに、下唇をかみしめて強く拳を握る。
病院閉めなくちゃね、と立ち上がったアルフォンスの手を咄嗟に握ろうとした
「せんせ・・・」
伸ばした手を強引に掴まれた。さっきまでアルフォンスの向こう側にいたはずのエドワードが、今はアックスのすぐそ
ばにいて掌を強く制している。
「触んな」
「な・・・」
「兄さん」
「だから言っただろ。助手なんかとるの反対だって。」
エドワードは、アックスから視線を外さずに言葉を吐いている。顎を引いて、心持鋭い瞳を一途に傾ける
「セントラルに行けよ。でかい学校だってある。金も出す」
「悪いがお前が惚れる前から、こいつ、俺のなんだ。」








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