「SMOOCH」






ちゅちゅっ、と、狭い部屋に音が響く。

今一体どこを触れられているのか、もはや感覚が追い付かない、
頬と、首筋と、瞼と・・・
ぐるぐる回る頭と感覚にどうしようもなく翻弄される。
耳に、また振ってくる。アルフォンスは思わず目をぎゅっと固く閉じて、口を引き結んだ。
ふっと、熱を持った息が頬にふきかかったから、間近でエドワードが笑ったのを知った。
いかにも楽しそうな兄の気配に、普段は温厚なアルフォンスでも、ふつふつといらだちがこみ上げてくる。

ちゅ、ちゅっ。

「も、いいってば・・・!」
「まだ」
はい、あーん。と鼻先でにんまり笑って、今度は唇に口づけてきた。欲しいまま振舞うその人の胸を、叩くというよりは
もはや殴ってやりたいのに。自身の腕はすでに絡まるように握りこまれてしまっている。

首を捩じって、深く入り込もうとしてきた舌を拒否した。エドワードが、逸らしたアルフォンスの顔を追って体を押し上げ
る。腰から電気が走るように、背筋が強張った。

「ああっ」

自分のものとは思いたくないような、切ない声がつい漏れてしまう。
これじゃあ逆効果じゃないか・・・!!

足をばたつかせて精一杯抵抗したいのに、そうしたところで痛い眼を見るのは結局自分だ。

忌々しい唇は今、アルフォンスのさらされた首筋を一心に辿っている。
それを振り払うように、首をぶるぶる振りまわした。
「もういやだ。兄さんなんか嫌いだ。大嫌いだ」
堅く閉じた眼をやっと大きく開けて、強気に兄を見る。その拍子にぽろりと涙がこぼれて、自分が悲惨な表情になって
いるに違いないことに、本当に泣きたくなった。

エドワードはきょとんとアルフォンスの顔を見た。さっきまでフル活用していた唇は、ぽかんとだらしなく開け放たれて
いる。
なのに瞬時に眉毛が情けなく下がって、ぽろりと零れたアルフォンスの涙を、慌てたように唇で辿ってきた。
「嫌いとか、言うなよ」
「いっ・・・!」
いやだ、と言おうとしたのにまたふさがれた。これは一体何回目の口づけだろう。
意外と簡単に兄の顔が離れる。ちょっと哀しそうに、焦点がやっと会うほどの近い距離から覗き込んできた。

「じゃあ、アル。ちゅって一回されるのと、代わりに「アルフォンス、愛してる」って一回いわれるの。どっちがいいん
だ。」
「・・・・っ、・・。」

呆れて瞬きをしたら、さっきの余韻でまた涙がこぼれた。
エドワードは、それを見て、にんまり笑った。
左頬に、今日何十回目かの湿った感触。


な。こっちのが簡単だろ。一杯できるし、美味しいしさ。
アルの反応、可愛いし。
言っとくけどな、これ一回で「愛してる」一回分だぞ。
ちゅ、ちゅ。ちゅっ。



あああ。もう。本当恥ずかしい。

これ以上声なんか出してやるもんか

アルフォンスは精一杯の抵抗に、歯をくいしばって顔をそむけた。






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こんなんかいてすみませ・・・すみません(土下座)




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