*ほそく*

以前、日記に、「センスレス」の続き妄想を載せましたところ、
大変光栄なことに感想と続きリクエストをいただきましたので、
喜んで答えさせていただきました〜。
以下はその日記から

****************



アルフォンスの腕をつかむ強気な腕に戸惑いが生まれる。エドワードは顔をゆがめて、アルフォンスの鼻先で、うつむ
いた。
「アルは卑怯だ・・・」
アルフォンスは細かく震えるエドワードの額辺りを見つめた。兄の苦痛を取り除けるものなら、何でもしたいと切実に
思うのに、こればかりはどうしようもない。
 
「お前は俺の気持ちを知ってるのに、受け入れてはくれない。一緒にはいてくれるのに、・・・こんなに、こんなに。好き
なのに。」
「にいさん。」
しん、と部屋の空気が静まり返る。アルフォンスは途方にくれて、動けなかった。
「一緒に暮らすことが苦しいのなら、別々に暮らそう。」
エドワードがきっと、視線を挙げた。兄のこんなにも怒りを含んだ視線を久し振りに見る。
「ふざけんな」
「だけどどうしようもないだろ、ボクは兄さんの気持ちには応えられないし、受け入れられない。ボク達は兄弟だし・・・
それに、兄さんをそんな風には見れない。」
「・・・残酷だな。」
「・・・」
 エドワードのからだが近づいてくる。よけようとして、心の中で溜息をついた。

「じゃあ、兄さんの望む通りにすればいいのかよ」
「あ?」
「兄さんが望む通り、キスして・・・抱かれれば、兄さんは、満足するの」
「アル!」
「勝手なのはどっちだよ!」
兄の腕を振り払って、強いまなざしで見つめた。
「ちゃんと見て。ちゃんと聞いてよ。ボクは兄さんの気持ちには応えられない、受け入れられないよ。」







というわけで、上の日記の続き。場面は大きく変わります。「センスレス」設定が前提


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せんすれす に





リクエストありがとうございます!
大変僭越ですが、Kさんに、愛をこめまくって!!!!


 




お前、今日は本を買いに行ったんじゃなかったか。
たまの休みだからって朝からなんだかはしゃいでただろ。
オレは仕事だったけど、たまたま車から見つけたときは確かにダウンタウンの古本屋で楽しそうに本を見てたじゃね
えか。

そりゃー俺はお前が楽しけりゃなんだっていいけどさ。
だけど、隣にはにこにことあの男がいたことがこの上なく気に食わなかったぞ、それでも帰ってきたら出迎えてやろう
って思ったのに。

なのになんだ、何があった。
一体あいつに何を言われたんだ!この酔っ払い!!




「ちょっと・・・ほっといてくれる?」
玄関に立ちはだかって説教を始めた兄に、弟は据えかねる目つきで睨みあげてきた。いつもはくるくるした愛嬌のあ
る瞳も、今日は苦しそうにしかめられている。
足取りがおぼつかない。腰に手を当てて仰々しく立ちはだかる兄を押しのけて自分の部屋に行こうとする弟に、兄は
たまりかねて肩を掴んで振り向かせた。
アルフォンスがよろめいて倒れこみそうになる。
「おい」
「ちょっと、きぶんがわるいから・・・」

お前、そんな酔ったこと今までなかっただろ、呆れて呟くと、弟はごめんと短く返事をしたきり寝室に直行した。

「大丈夫か?」
戸口から、声をかける。ふわふわと浮いたような声で「うん・・・」と帰ってきた。
「水飲むか?」
「ううん、いい。・・・・だいじょうぶ・・・」
そういいながら、アルフォンすはうつぶせに倒れこんだらしい体を仰向けにした。時折苦しそうにうめく。


この青年が正体もなく酔う、なんてことは本当に珍しいことだ。いくら自分が彼と共有してきた時間の大部分の記憶を
失っているからと言っても、そのくらいのことはそばにいるだけで伝わってくる。
おそらく昼間会っていた恋人と何かあったに違いなく、そうしてその恋人は憎き上司に違いなく。

苦々しい想いで暗い部屋の中を、アルフォンスの輪郭を追う。
ベッドサイドに腰かけて、本当に大丈夫か確認しようとした。
腰かけるとベッドがぎしりときしんで、アルフォンスがうなされるように寝返りを打った。
眉を潜めて、苦しそうに胸が荒く上下している。
浅く呼吸を繰り返し、帯びていく濃厚な酒気でエドワードまで酔ってしまいそうだ。

苦しそうな呼吸をまずどうにかしなければ、とシャツのボタンを一つ、二つとはずした。そこまでしたとき、苦しそうに眉
を寄せていたはずのアルフォンスが、いつの間にかこちらを見上げていて、案外しっかりした目で、じっと自分を見つ
めていることに気付く。

起きていたのか。
「ア、」
「すき、ですよ・・・。」
ボタンをはずそうとシャツを掴んでいた手がぴたりととまる。瞳は自分を見つめているのに、弟はこの暗闇に一体誰を
見ているのか。
アルフォンスの目をじっと見つめ返してしまった。しっかりと交錯した視線の中で、こんな姿勢で、そんな言葉を吐くな
んて。


「ぼくだって、すきですよ」
アルフォンスは、もう一度はっきりと言った。
ざわりと、エドワードの中の、何かがうごめいた。
口を引き結んで、横たわる弟を見つめる。


苦しくなったらしい、アルフォンスは言い終わるとすぐに自分の手の甲を口に当てて、体をよじった。
「はあっ・・・」
と、眉をよせて、大きく胸で息をつく。
頬も、首筋も、瞼さえも酔いが回って真っ赤に染まっている。
目を離せない


『ボクが兄さんに抱かれれば、満足するの』

と以前言っていたっけ

「そうかも」
自然頭がぐつぐつと煮えたぎった。弟の上に覆いかぶさるように顔を覗き込む。思考が浮かんでは消えていく、自分
も酔ってしまったのかもしれないと少し思った。

「そうかも。一度抱いてみれば、満足するかもな」
そんなはずないと、わかっている。

顔を近づけた。こんなのは任意と言えないけれど、自分の中のおさまりきれない気持ちが鎌首をもたげ始めている。
二つ外したシャツのボタンを、三つ四つと手を止めずにはずしていく。
上下しながら熱を持つ胸に、ついに口づけるように顔をうずめた。

そうして眉をひそめてしまう。
触れてしまえば、歯止めが利かなくなってしまうことなどわかっていたのに。

「アルフォンス・・・」
顔を覗き込んで唇を近づける。
目を閉じたら、強いアルコールの臭いの中にアルフォンスのやさしい気配がやはり少しだけ、漂った。




そこまで酔うことができたのに、直ちに我に返ってしまったのは、ドアのベルがけたたましく連打されたからだ。


それどころか玄関の扉も激しく打ちたたかれている。ドアを壊しかねないその激しさが一人の男の訪問を告げてい
る。


ドアを開けたら、やっぱり憎き上司が、珍しく肩で息をしながら佇んでいた。

エドワードの足の先から頭の先まで眺めて、はっきりと焦った顔をする。
「おい!何をしていた!!」
叫びざま、どかどかと部屋に駆け上がる。
「なんにもしてねえよ!!」
という悪態はその背中に投げられ、歓迎されざる弟の恋人は、家主にかまわず歩をすすめた。
しばらくしてからアルフォンスが横になっている部屋から顔を出した上司は、いつになく真剣な顔ですぐに水をもってこ
い、と怒鳴った。

そこに含まれる威圧する空気に、エドワードは反射でキッチンへと急ぎ、グラスに水を一杯持って階段を上がる。
部屋にはアルフォンスの上半身を抱きしめるように、上司が体を支えて顔を覗き込んでいる。今しがたエドワードが開
いたシャツを片手でしっかりと閉じていた。
こちらを見向きもせずに水を受け取り、口に含むとそのままアルフォンスの口に含ませる。
その動きは恋人に対するような甘さを一切含んでいないもので、エドワードをあせらせた。
「おい、そんなにやばいか」

げほっ、とアルフォンスが大きくせき込んで、苦しそうに体をねじる。

「アルフォンス」
ロイマスタングは、静かな声で一回だけ、呼びかけた。その一回だけで、アルフォンスは目を覚ましてしっかりとマス
タングを見た。荒い呼吸を何度か繰り返している。
ぽかんと上司を見上げて言葉もない。
何度か瞬いて、また苦しそうにうめいた。

「苦しいか、飲みすぎだ。」
「すみませ・・・」

マスタングのシャツの裾を強く握って、頭を支える腕に顔をうずめる。
マスタングは背中からアルフォンスをゆるく抱きしめた。背中をさすりながらアルフォンスの頭に顔を埋める。

「いいんだ。」
息を吐くように言葉がこぼれた。
「お前が、落ち着いたならいいんだ」

マスタングがアルフォンスの体をしばらくなでていると、ぐったりと力が抜けて頭が垂れた。
それを抱え直して横にして、きちんと上掛けを掛けている。
手つきがこの上なく優しい。エドワードを追い出すように自分も部屋を出てから、マスタングは表情を変えた。

「・・・・・・お前を一度は燃やさないと気が済みそうにないな。」
「ふざけんな、誰のせいでこんなになって帰ってきたと思ってんだ。どうせまたへんなこと言って追い詰めたんだろう
が」

そこまで言ったとき、今しがた静かに閉じられたばかりのドアが、大きな音を立てて開かれた。
ふたりが咄嗟に、同時に振り向くが早いか、すごい速さでアルフォンスが通り過ぎる、二人で茫然とバスルームに駆
け込む背中を見送った。

せき込む音、
水が流れ、しばらくしてから。

トイレから出てきたアルフォンスがタオルで口を拭きながら、ぼんやりとした表情で
「あれ、二人とも。どうしたの・・・」
などとこぼしたものだから。


そのあとは三人、大喧嘩になった。













「苦しいか、飲み過ぎだ」と入力したつもりが、「苦しいか、の水着だ」と入力してしまいました・・・・どんな水着だろう
(あるたんに着せたいです)。




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せんすれす
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