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早く眼が覚めたらいいのに、と思う。
これは、この間見た、悪夢じゃなかったか・・・?
「おい・・・」
自分でも驚くほど低い声が出た。でもそんなことには到底かまっていられない。
アルフォンスが横になっていたはずの、ベッドに触れる。すでにひんやりとしたその感覚が、エドワードに絶望という現
実をたたきつけた。
アルフォンスが、いない。
その現実を理解した瞬間、シーツを思い切りはいで壁に投げつける。
「ふざっけんな・・・!!!!!」
「・・・っ!」
その声に、エドワードとともに病室を訪れた看護婦がはじかれたように病室を飛び出していく。おそらくアルフォンスが
いなくなったことを医者に報告するためだろう。
奥歯をかみしめた。血の味がする。
報告をうけなければならないはずの主治医もまた、いないはずだ。
「ふざけんなよ・・・!」
拳を叩きつけてベッドに突っ伏した、こんなことをしていられないことも分かっている。
だが、こうなる可能性を認めていたのに、だから無理やり転院を強行したのに、結局は防げなかった自分を呪わずに
はいられなかった。
鋼の右腕を握り締める。
「アル・・・」
「レイバー先生もいません!!」
血相を変えた看護婦が飛び込んでくる。
「870993・・・」
「え?」
「内線だ、すぐかけてくれ、軍部につながる。」
あ、と小さく看護婦がこぼして、またばたばたと足音がかけていく。
その足音を聞きながら、右の掌を額に当てた。深呼吸をする。
ああ、頼むから。
あの存在は俺のすべてだから。
雨の当たる窓を眺める横顔が浮かぶ。
「エルリックさん、つながりました!」
看護婦に向けた表情は、むしろ冷静だった。
電話機まで導く看護婦の後を追う。
満足に動けない人間を一人抱えて移動することは困難を極める、すぐに足がつくはずだ。
驚くほど静かなな思考、胸の中に冷たい感情が渦まく。
絶対に、失えない。
何度でも取り戻す、オレのすべてをかけて。
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