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「あれ、兄さん帰ったの。」
「んあ?」
「ただいまくらい言えばいいのに。」
疲れてのびている俺の部屋の入り口から、アルがひょこりと顔をのぞかせている。鎧の頃からの変わらない仕草に、
思わず笑いがこぼれた。
「お〜ただいま。今日すっげぇ疲れた。眠い…」
アルがふっと口の端をゆるめてほほえんだ。
「寝てたんだね、ごめん。おやすみ」
手をひらひら振りながら部屋からでていこうとする。
「アル〜」
あんまり疲れてたから、気を使わせると悪いと思ってたけどだめだ。やっぱし。こいつがいないと。
「なに?」
アルはベッドに埋もれる俺の枕元に腰掛けた。ぎしり、とスプリングがきむ。
「よっぽど疲れたんだね。ココアでもいれようか。」
「いい。…アル〜。」
「…何かあった?」
さりげなく膝の上に頭を乗せて、すりよせる。
膝枕だ、アルの膝枕!!
「なんもねえ。さすがに3日で2時間睡眠はきた。」
ふ、と。頭上の雰囲気が一気に緩んで、笑ったのがわかった。手が髪を撫でている。
あったかいアルの体温、アルの匂い、声、存在。
「兄さんは相変わらずだねえ。寝なよ、起きたらご飯一緒に食べよう。」
おやすみ、と、俺の頭をさりげなく膝から降ろそうとするのを察知する。
「アルも一緒に寝ようぜ。」
「いい。ご飯作るから。はい、どいて」
手に力がこもる。反対に、俺も力をこめてアルの腰を抱きしめた。あ。今ため息ついたな。
「にいさん。」
「飯なんか後でいいだろ。なー、一緒に寝よう、アル」
なーなー。すりすり。
「…ウィンリィ、呼ぼうか」
もう、兄さんも潔くウィンリーとさ〜とかなんとかぼやいている。
なんでウィンリーなんだよ!!!
15年も一番近くにいて、こいつはちっとも兄の気持ちを理解してない!
「わかった言い方を変える。」
「…なに」
「お兄さまの安眠のために、添い寝しろ」
あ、またもやため息。なんだかやけになってこのまま寝てやろうかとか考えた。
「兄さん、寝ないでよ。ボクがいると気になって逆にねむれないだろ。おいしいご飯作っ
とくから」
「…。」
「兄さん?寝たの??」
「ぐー。」
「もー…」
「………お疲れ様。」
ゆっくりと。アルはオレの頭を撫でた。胸がぎゅっとする、なんだか無性に泣きたくなる。
オレはうっすらと目を開けて気付かれ無いようにアルを見上げた。微笑んだまま、オレの髪を梳き続けている。こめか
みのうしろから、耳のうしろへんをなぞって首の根本まで。
アルの手から熱が伝わって俺はもう一度、今度はギュッと目を閉じた。この感覚を、もっと感じるために。
「・・・・」
「ん、何?何か言った?」
安心感からか、本当に眠りが落ちてくる。俺の言葉を寝言と思ったらしい。それきり黙ってアルは頭をなでている。俺
の頭をなでるアルの手の動きに、ゆったりと呼吸を合わせた。
ここに、いろよ。
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私は個人的にアルがいれてくれたココアのみたひ・・・
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